Case
導入事例

【事例】建設業「新規分野進出による販路拡大」の補助金活用

Category:

補助金導入の背景

大阪府で建設業を営むC社は、主に住宅や店舗のリフォーム工事を手掛けてきた中小規模の建設会社です。しかし、近年の競争激化や地域市場の成熟化に伴い、従来の事業領域だけでは安定した受注を確保し続けるのが難しくなっていると危機感を持っていました。

そこでD社は新たな事業分野として「道路工事」「土木工事」「河川工事」「側溝工事」といったインフラ整備分野への進出を計画しました。これらの分野は地域住民や自治体からの需要が高く、公共工事を含む幅広い顧客層を獲得できる可能性があります。また、これまでの事業では取り引きの無かった新規顧客層を開拓する大きなチャンスと考えました。

この状況を解決するため、D社は「小規模事業者持続化補助金」を活用し、新規分野進出のための機械設備の導入などの販路拡大プロジェクトを実現しました。

解決したい課題

1.新分野への進出による販路拡大

D社では従来の住宅や店舗のリフォームや改修工事の事業に加え、道路工事や側溝工事、河川工事などのインフラ整備分野にも進出することで、自治体や企業からの安定した受注獲得を目指し、新たな顧客層を獲得することで、売上基盤を強化することが目標でした。

2.必要な機械設備の導入

道路工事には、これまでD社が使用していなかった専用の機械設備(道路舗装に使用するアスファルトフィニッシャーや振動ローラーなど)が必要でした。しかし、これらの導入には高額な費用がかかり、資金面の負担が課題となっていました。

3.地域社会のニーズへの対応

地域住民や地元企業からは、老朽化した道路の修復など、インフラ設備改修の需要が多い状況です。D社はこれらのニーズに迅速かつ的確に応え、地域からD社への信頼をさらに強固なものにするためには、新しい機械設備やその設備を正しく使用できる技術が必要でした。

4.高額な初期投資の負担軽減

新分野で事業を始めるには、機械設備の導入だけでなく、従業員の教育や安全対策、プロモーション活動の費用も必要でした。これらの初期投資費用を抑え、経営に過度な負担をかけずに事業を着実に進められるための資金の確保が課題でした。

補助金・助成金の活用

D社は「小規模事業者持続化補助金」を活用することで、以下の施策を実現しました。

1.新事業に必要な機械設備の導入

D社では、補助金を活用して以下の機械設備を導入しました。

  • 油圧ブレーカー(約150万円)
    • コンクリートやアスファルトを破砕する際に使用。道路工事や河川工事での効率化に大きく貢献しました。
  • ハンドガイドローラー(約80万円)
    • 小規模な舗装作業や側溝工事の仕上げ作業に適し、高品質な施工を可能にしました。
  • タンピングランマー(約50万円)
    • 地盤の締固めに使用し、耐久性の高い施工を実現。土木工事や側溝整備に欠かせない機械です。
  • エンジンハンドカッター(約30万円)
    • コンクリートやアスファルトの切断に使用。現場での柔軟な対応力を強化しました。
  • プレートコンパクター(約40万円)
    • 地盤や路面の平坦化を効率的に行い、施工精度を向上させました。
  • コンクリートカッター(約100万円)
    • 高精度な切断作業が可能で、施工品質を大幅に向上。道路工事や河川工事で活用されました。

これらの機械設備の導入費用の2/3を補助金で補助し、初期投資の負担を軽減しました。新しい機械の導入により、D社は従来対応できなかった案件にも柔軟に対応できるようになり、施工の効率と品質を大幅に向上させました。

2. 地域社会への認知拡大プロモーション

D社は、新たな分野での事業展開を地域社会に広く知ってもらうため、以下のプロモーション活動を行いました。

  • 地域説明会の開催
    • 道路工事や河川工事、側溝工事の重要性について住民や自治体に説明するイベントを開催。新しい機械設備のデモンストレーションを行い、D社の技術力をアピールしました。これにより、地元住民や企業から具体的な相談や依頼を受ける機会が増えました。
  • SNS広告や地域メディアでの広報
    • 導入した新しい設備や施工事例をSNS広告や地元情報誌で発信。これにより、自治体や地元企業を含む幅広い顧客層への認知拡大を実現しました。
  • 施工事例の公開
    • 道路工事や側溝整備、河川工事の施工事例をウェブサイトやパンフレットで公開。高品質な施工実績を視覚的に示すことで、新規案件の受注に繋がりました。

プロモーション費用(約50万円)も補助金で補助され、効率的な広報活動を実施できました。

3. 従業員教育と体制整備

新しい分野での成功には、従業員の技術力向上と作業環境の整備が不可欠でした。

  • 技術研修の実施
    • 専門の講師を招き、導入した機械設備の操作方法やメンテナンスを学ぶ研修を実施。従業員全員が新しい技術を習得しました。
  • 安全教育の徹底
    • 新しい機械設備を安全に操作するための教育を実施。現場でのリスクを最小限に抑えることで、安心して作業に取り組める環境を構築しました。
  • 作業環境の整備
    • 作業場のレイアウトを見直し、新しい機械の配置や保管スペースを最適化することで、作業効率を大幅に向上させました。

結果

  • 新規案件の受注増加
    • 道路工事、土木工事、河川工事、側溝工事を含む15件の新規案件を受注。年間売上は前年比で40%増加しました。
  • 作業効率と施工品質の向上
    • 導入した機械設備により、作業効率が45%向上し、施工品質も大幅に改善。これがさらなる受注増加に繋がりました。
  • 地域での信頼性向上
    • 地域説明会やプロモーション活動を通じて、D社が「地域のインフラ整備に強い会社」として認知され、地元住民や自治体からの信頼を獲得しました。
  • 従業員スキルの向上
    • 技術研修を通じて、従業員が新分野での施工スキルを習得。D社全体の対応力が向上し、さらなる大規模案件への対応が可能になりました。

経営者の声

「補助金を活用することで、初期投資の負担を大幅に軽減し、これまで挑戦できなかった分野への進出が実現しました。道路工事や土木工事、河川工事、側溝工事といった幅広い分野に対応できるようになったことで、地域社会からの信頼を得て事業基盤が安定しました。今後も地域に貢献し続けながら、更なる成長を目指していきたいです。」

多分野への進出で成長を加速:道路工事や河川工事、側溝工事などのインフラ整備分野に進出し、新しい顧客層を獲得
効率的な設備導入で競争力を強化:専門機械を活用して施工効率を向上させ、受注増加と品質向上を実現。
地域密着型の取り組みが成功の鍵:地域イベントやプロモーション活動を通じて、地域社会からの信頼を確立しました。
この事例は、建設業が補助金を活用して多分野に進出し、地域社会での信頼を獲得した成功例として、他の事業者にも参考となる内容です。

事例一覧へ戻る

お役立ち情報掲載中!